煙突の働き

■正しい排煙と燃焼を促すドラフト

  1. ドラフト 説明イラスト

    ドラフトは煙突の先端から煙が屋外に吸い出される現象のこと。熱を帯びた煙と外気温の差が大きいほど上昇気流が強まり、排煙がスムーズに、正しい燃焼を得ることもできる。煙突はまっすぐ、長く伸びているほどドラフトが強く効く

正しい燃焼によって本来の暖房性能を得るにはスムーズな排煙が不可欠。それを生むのが“ドラフト”と呼ばれる煙突の機能だ。これは(暖かい)煙が上昇する性質によるもので、熱を帯びた煙と外気との温度差が大きいほど上昇気流が強まり、煙突の先端から勢いよく吸い出される。煙突の屈折や曲がりによる抵抗などでドラフトが低下すると、本来の排煙も燃焼も得られない。

■煙突内部の火災に要注意

  1. 煙突内部 説明イラスト

    保温/断熱性の低い煙突の場合、屋外(または室内)の冷気で煙道内の煙の熱が奪われてドラフトが低下。同時に、結露を生じて煙道火災の原因になる煤やクレオソートが内壁に付着しやすくなる

薪ストーブを使用する上で、何よりも気を配るべきは煙突内部の詰まりだ。排煙を滞らせるだけでなく、煙道内に堆積した可燃性物質に炉内の火の粉などが引火、爆発的に燃え上がる「煙道火災」を引き起こす。

煙道内は瞬間的に800〜1000℃に達し、煙突の先端部から炎を大きく噴き上げ、最悪、家を焼失しかねない。

薪や焚き方が問題だったりもするが、とくに要因のひとつとして注意したいのが煙の結露。排煙の際に煙突が冷気を受けると煙道内の煙の熱も奪われる。すると煙が含んでいる水蒸気が凝固、その中の煤やクレオソート(可燃性物質)が内壁に付着・蓄積してしまうのだ。

■断熱二重煙突の有用性

  1. シングル煙突

    シングル煙突 画像

    室内用として使用頻度が高い一重の「シングル煙突」。保温/断熱性能が劣る反面、安価で、表面の熱を暖房に利用できる利点がある

  2. 断熱二重煙突

    断熱二重煙突 画像

    アウターとインナーの間に断熱材を充填した「断熱二重煙突」。仮に煙道内で火災が起こっても断熱性が高いため大事には至らない

煙の結露による煙道火災を防ぐ上で、効果的とされるのが外気温の影響を受けない断熱性と、煙を冷まさない保温性を併せ持った断熱二重煙突。グラスウールなどの断熱材を用いた二重構造となっていて、高価だが、安全・安心を確保する上で絶対条件と考えたい。

もっとも、どんなに高品質な断熱二重煙突を用いたとしても、煙道火災の可能性がゼロになるわけではない。薪を燃やす限り、わずかでも煤やクレオソートが付着するのは避けられないからだ。煙突の詰まりや煙道火災を防ぐ方法はひとつ。定期的な煙突掃除しかない。メンテナンスについても薪ストーブ本体よりも煙突を優先すべきだ。

定期的なメンテナンスでトラブルを防ぐ

  1. 高所での煙突掃除は危険が伴う。自信がなければ無理をせず、プロにまかせたほうが無難

薪ストーブを長期間ノントラブルで使い続けるためにメンテナンスは欠かせない。購入した店舗、または専門業者に依頼する場合、年に1回、オフシーズンかストーブを焚く前に行えば問題ないだろう。

本体は掃除、点検、調整、必要に応じた修理、これに煙突掃除を加えたセットで作業工賃は1万5000〜3万円が相場。これに店舗からの距離に応じた出張料金と、交換した消耗品などの部品代が加わる。安心を買うと思えば割安に感じる。

もっとも、掃除やガスケットなどの消耗品の簡単な交換は、部品と工具を用意すればユーザーでも問題なく行える。維持費を抑えたい人は試してみてほしい。

煙突掃除もまた、作業自体に難しいことはなく、ユーザーでもできなくはないが、足場が悪かったり、急勾配の屋根では転落の危険性がある。くれぐれも無理は禁物だ。